開院当初、訪問診療をよりよい形にするために一番大切なこととして、「本人の意向」を挙げていました。もちろんそれは今でも大切なことなのですが、在宅医療は本人だけの意向で決まるものではありません。病気の特性やご自宅の介護力、利用できる介護・医療資源、そして経済力それらの範疇で、どうあるべきかを検討する必要があります。...
2014年の4月に自院を開業して丸8年が経つ。少し振り返ってみたいと思う。 当初、自分にかかわるすべての人が「幸せな最期」を迎えるべく自分の役目を果たそうと躍起になっていたが、病院で幸せな最期を迎えるような人たちは、普段から幸せに暮らしている人だと気がついて、愕然とした。...
「全人的医療」という言葉を聞いたことはあるだろうか?病気を診るのではなく、人全体を診て医療を行うことらしい。どこか患者さんを見下げている気がして、好きな言葉ではないのだが、内科学会でワークショップを開催するとのことで参加してみた。...
「理想の最期」を迎えられるように訪問診療を始めました。そのきっかけとして、病院での痛ましい最期がありましたから、自分としては、最期の迎え方へのこだわりがとてもありました。...
訪問診療は、患者さんの話を聴くことから全てが始まります。 何に困っていて、どうしたいか? どんなことを考えながら生活しているのか? 気がかりなこと、心配なこと。何かやりたいことがあるか? 何を生活の楽しみにしているか?...
訪問診療を始めて気がついたのは、患者さんたちがそれぞれの生活に強い愛着をもっていることでした。家に帰りたいという患者さん達の声は昔から聞いていましたが、それが一体どういうことなのか? 以前はよくわからなかったのです。...
親や親しい人との別れは、人生のなかで最も辛いことです。悲しすぎて考えたくもない、それが普通だと思います。 でも、そんな辛い時間を、自分はかけがえのない大切な時間だと思っています。なぜ自分は、一番悲しくて辛い時間なのに、肯定的にとらえているのか自問してみると、私の父との別れの記憶がその元になっていると気がつきました。...